いまどき九大生!!
~まちの縁側「糸家」の住人~
「糸家」とは、
「糸島の家」の略であり、糸島空き家プロジェクト(九大生の団体)が改修した、シェアハウス。2人の住人がここ糸家に住み、そのうちの1人、福井さんが糸家の運営を主に行う。「まちの縁側」というコンセプトを基に暮らしの中で人と人とが出会い、 糸島の地域から生まれる文化や歴史をつくる場を目指している。
福井崇郎(たかお)
九州大学大学院 比較社会文化学府
出身 長崎県佐世保市宇久島
好きな本 夏目漱石作「夢十夜」
好きな歌手
・・・博士?
記「まず、疑問なのですが、『博士課程』とはどのようなことをなさっているのでしょうか?」
福「『政治学』の研究をしています。理論よりも調査、調査…という感じで、実際に日本中いろんな場所に行って、まちづくりや場をつくっている人たちの現場を見聞きしてくることが多いです。」
とりあえず、やってみよう
記「糸家は『実践』の拠点というわけですね。」
福「そうですね。糸家を通して今まで学んだことや見聞きしたことを、現場に入って『とりあえず色々とやってみよう』と挑戦しています。できたら、その結果から要素を拾いだして研究に結びつけていきたいですね。」
無理せず楽せず、ゆる~く
記「―糸家ではどのようなことを行っているのですか?」
福「糸家は、日本や地域の歴史・文化も含めた学びの場として九大生教師による周辺の小中学生向けの『寺子屋』や、ピアニストや中国舞踏の先生、映画監督、劇団の方を招いてのイベント等をしています。また地域の集いの場として、談義しながら食卓を囲む『共食(きょうしょく)』や『おやじの会』、秋には『七輪でサンマを食べる会』などもやりました。」
記「特に印象に残ったことは?」
福「驚いたのはイベントで宮沢賢治の詩を皆で朗読した数日後、参加していた小さなお子さんが『もっかいあれ読みたい』と言い出したそうです。声に出して読む音読は日本の文化なので、そういう学びが少しずつですが子供達に伝わっているのが嬉しいです。」
記「すごいですね!そういったイベントはどうやって実行していくのですか?」福「色々な場合がありますが、『これしたいね〜』という軽い会話からイベントが生まれることも結構あります。夏にやったそうめん流しも、飲み会の席でのちょっとした会話から始まりました。『無理せず楽せず、ゆる~く』やっていこうと思っています。」
一人一人と関わって、「福井」をわかってもらいたい。
記「福井さんは、今ではかなり地域の方々に受け入れられているようですね。」
福「今は3歳〜70歳まで日々色んな方と関わっていますが、今年の3月に住みはじめたときは、地域との繋がりなんてほとんど無い状態でした。最初の頃は『九大生さん』なんて言われることも多々あり、それがツラかったです。だから、僕という個人として一人ずつ地域の方とお付き合いしたり、地域の行事に参加していくことで、それぞれに『福井』という人間を分かってもらおうと色々と努力しました。」
記「一人一人と着実に信頼関係を築いていくことで、この地域に受け入れられていったのですね。」
福「この部屋には古いレコードや絵本など色んなものが置いてありますが、地域の方から譲ってもらったものは多いですよ。地域への貢献が認められることで信頼が生まれると、色々な方々が手を差し伸べて下さいます。温かいまちです。」
暮らしのなかで「集まる場」、をもっと。
記「では最後に、福井さんのこれからの展望を聞かせてください。」
福「糸家のような『暮らしの中から集まれる場』をもっと増やしていきたいです。この先も、様々な場所で色々な場をづくりに取り組んでいきたい…そして50歳になっても居酒屋の座敷で談義をしていたいですね。この活動を通して、50年、100年先も、この国、この地域で幸せに生きられる社会を皆で考えていきたいと思います!」
記者:真崎 愛
ITOYA
まちの縁側
プロジェクト2015
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Machino.Engawa.Project2015
あいとっぷ
「地域活性化を通した自己成長」というコンセプトの下、「地域活性化プランコンテスト」や小学生向け科学教室など、地域住民や学生を巻き込んだ活動を行なっています。
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