ご主人の野田昌志さん。
ご主人の野田昌志さん。

昔ながらの作り方にこだわる「雷山地豆腐」

野田 昌志さん

 

糸島産大豆、雷山山系の水、天然にがり

一日二百丁限りにこめられた「こだわり豆腐」

 

私が幼少の頃は、豆腐屋さんがリヤカーを引いて豆腐を売って歩いていました。パープーというラッパの音が聞こえると、鍋を持って通りまで買いに走ったものです。大豆の旨味がギュッと詰まった味の濃い豆腐だったと記憶しています。今ではまずお目にかかることはなく、私の記憶違いなのかなと思っていた時に、「醤油も何もつけずに食べて美味しい豆腐があるよ」という話しを聞きつけました。名前は雷山地豆腐。伊都菜彩などでも販売されており、すでにご存知の方も大勢いらっしゃるかもしれません。しかし同じ豆腐でなぜそんなにも違いがでるのか?主人の野田昌志さんを訪ねてお話を伺いました。

開口一番、『豆腐の味は、大豆と水とにがりで決まります。うちでは使うべきものを使い、昔ながらのやり方で豆腐を作っているだけです』と言う野田さん。スーパーなどで売られているものは値段を安くしなければならないこともあってか、輸入大豆を水で薄めたものに凝固剤を入れて大量生産しているので旨味も少なく香りもしないのだそうです。

雷山地豆腐では、地元雷山でつくる糸島産大豆、雷山山系のおいしい水、天然にがりのみを使用し、たくさんつくると気持ちが入らなくなって美味しくなくなるという理由で、1日につくる量は200丁までに限定しているそうです。

特に“にがり”については全国を探しまわって見つけた正真正銘の天然もの。“天然にがり”といっても色々あって、簡単に手に入るものも多数あるそうですが、本来の“天然にがり”は太陽の熱だけで塩をつくる過程でしかとれない貴重なものなのだそうです。

息子の昌敬さんという良きパートナーにも恵まれて、昔ながらの豆腐づくりを一心に続ける野田さん。効率を追い求める時代にあって清々しさを感じました。お二人に心からエールを贈るとともに、みなさんには是非一度食してみていただきたいと思います。

本当は、昌敬さんや不動明王に纏わるユニークなお話もたくさん聞かせていただいたのですが、誌面が足りず残念です。次の機会に改めてご紹介したいと思います。


*風味、旨味が凝縮された伝統を受け継ぐ昔ながらの豆腐。豆腐がお客様を選ぶと言っても過言ではない本物。すくい豆腐・木綿豆腐・絹豆腐・青肌豆腐・豆腐プリン・豆腐ドーナツ(910月限定)

 

雷山地豆腐

【店舗】

福岡市西区大字飯氏334-3

TEL092-807-8793

営業時間12:00~日没

月曜日定休

【工場】

糸島市香力126

TEL092-322-2467