糸島地区日本唱歌保存愛唱会
受け継がれる童謡・唱歌。
若い世代へつなげたい文化価値。
春の小川はさらさら行くよ・・・。童謡・唱歌と言えば、どんな方でも一度は耳にしたり歌ったりしたことがあるのではないでしょうか。私が小学生の頃は授業で習うのが当たり前で、今でも懐かしい思い出とともに、子どものころの記憶がよみがえります。
由紀さおりさん、安田祥子さん姉妹が毎年「童謡コンサート」を行なっており、世界的にも高い評価を得ているのは有名なお話ですね。世界に流布する音楽の寿命が短くなりつつある今、永きにわたり歌い継がれる童謡・唱歌の存在は貴重です。
しかし一方で、だんだんと童謡や唱歌を知らない若い世代や子どもたちが増えてきているのも実情です。そんな現状を心配して、童謡・唱歌の保存継承に取り組む団体、糸島地区日本唱歌保存愛唱会があります。明治・大正以来日本人を育ててきた童謡・唱歌が消えつつある状況に危機感を持っていて、子どもたちや若い世代をはじめ、たくさんの方々に知ってもらい歌いついでもらうための活動を27年間続けています。
会発足当時から事務局を務める牛原泰子さんによると、童謡・唱歌を知らない世代が増えている要因の一つとして、小学校の音楽の教科書で取り上げられる曲が「世界にひとつだけの花」などの歌謡曲に変わってきているということがあげられるそうです。
活動内容としては、毎月1回の歌の練習会と会議を行なっています。また、老人保健施設や病院への慰問、幼稚園などを訪れて童謡・唱歌を教え一緒に歌っています。
また、古い歌についてはまったく資料が残っていないものもあり、会のメンバーが歌うのを聞いて楽譜を作ることまでやっています。おもしろいのが、『その歌の楽譜なら私が持っています。』という方が現れて、後になって正式なものが手に入ることもあるんだそうです。そして、現在の活動の中で最も力を入れているのが、来る5月20日(日)、伊都文化会館にて開催される「日本の歌をみんなで歌う会」です。この歌う会は通常と異なり、ステージの出演者がリード者になり、参加者が一体となって全員で合唱する参加型のコンサートです。今年で第29回目を迎え、毎年この時期に行われるイベントとして地元糸島をはじめ、福岡市、古賀市、八女市、佐賀県や長崎県から約800名の参加者が集まる恒例の行事として定着してきました。今回は糸島に残る「糸島地理唱歌」「月見草」など32曲を選選曲。嬉しいことに、5年前から可也幼稚園の園児たちもステージに立ち、会を盛り上げてくれています。
理事の洞文雄さんは、『若い人たちに是非参加していただきたい。』と、おしゃっていました。
『唱歌・童謡の魅力は、日常の何気ない情景や感情を率直に表現した歌詞と、親しみやすいメロディーにあります。』と、牛原さん。
『私たちを生み育てた大自然と人類が築き上げた文化を継承し、明日からの子育て、新しい糸島市の町づくりに貢献することが私たちの使命です。』と、代表の進藤嘉和さん。若い世代に向けて熱いメッセージをいただきました。
【第29回日本の歌をみんなで歌う会】
日時:平成24年5月20日(日) 開場12:00 開演13:00
会場:伊都文化会館 糸島市前原東2-2-7 TEL092-323-1128
参加費:当日 ¥1,000 前売 ¥800(小中高生は無料)
主催:糸島市日本唱歌保存愛唱会
後援:糸島市・糸島市教育委員会・糸島市社会福祉協議会・糸島新聞社
問い合わせ:092-328-0052(牛原)
【お知らせ】
会では、楽しく歌を歌う仲間を募集しています。
日時:月1回 第2木曜日 10:00~12:00
場所:糸島市加布里公民館
参加費:¥500/月(室料・楽譜・指導料等)
内容:童謡・唱歌・叙情歌等を中心に歌います。